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未来社会デザイン共創機構

【SEIANドリームプロジェクト】令和4年度採択テーマ紹介③《森林保全×NFTアートプロジェクト「GOSHINBOKU」》

2022.07.29

前回に続き、今年度SEIANドリームプロジェクトで支援する学生の研究テーマをご紹介します!

SEIANドリームプロジェクト概要はこちら

 

《森林保全×NFTアートプロジェクト「GOSHINBOKU」》
情報デザイン領域4年 相川佳奈

森林保全活動とNFTアートを掛け合わせたプロジェクトに取り組むのは情報デザイン領域4年生の相川佳奈さん。
テーマに至ったきっかけや構想している研究内容についてお話を伺いました。

 

●森林保全活動・NFTアートに着目したきっかけ

相川さんが構想するアートプロジェクト「GOSHINBOKU」
こちらは “NFTアート”によって森林保全者と作品所有者のコミュニティを形成することを目指した研究活動です。

まず、NFTとは「Non-Fungible Token(非代替性トークン)」の頭文字を取った言葉で、名前の通り替えが効かない暗号資産を指します。データを安全に管理できるブロックチェーン技術により作成者や購入者などの取引情報が記録され、これまで困難とされてきたデジタルデータの所有者を明らかにすることができます。
アートにおいては、この技術により偽造作品の出回りを防ぎ、作品が唯一無二の本物であると証明できることから近年注目されています。
相川さんはそんなNFTアートについて学んだ際、作品自体に所有者の情報を蓄積できるという特性をコミュニティ形成に活かせるのではないか?と考えました。

同時に相川さんが関心を持っていたのが、日本の環境問題です。
これまでの授業内における滋賀県のSDGs事業に関する学びや、それらを啓発するデザイン制作をおこなった経験から環境問題への関心が強まり、中でも特に注目したのが森林問題でした。
戦後になり植林に力を入れ始めた日本ですが、山が多く勾配が厳しいため伐採に多くの労力が必要になり希少性が上がり、国産の木材はどうしても価格が高くなってしまいます。従って安価で手に入る海外の木材ばかりが選ばれてしまい、需要が落ちた日本の森林は無間伐のまま放置。森林の荒廃が進み、水の供給に影響が出たり、CO2の吸収率が下がってしまったりとさまざまな環境問題に発展します。
さらには、労力をかけて伐採しても売れない現状に林業経営を辞めようと考えている森林所有者も増えているそう。

近年環境問題に取り組む企業が増え、森林保全に取り組む大きなコミュニティができていることは確かですが、個人レベルでも継続的に森林保全に取り組める環境が必要なのではと考えた相川さん。
森林保全支援、そして森林保有者と支援者のよりローカルなつながりづくりを目的に、森林保全×NFTアートプロジェクト「GOSHINBOKU」の構想を始めました。

 

●計画 「GOSHINBOKU」構想・研究

「GOSHINBOKU」では、NFTアート《Goshuin》を通して森林保全者と作品所有者をつなぎます。

アートの購入金は支援金として保全先に寄付。さらに、所有者は作品に埋め込んだICチップから保全先の情報を読み取り活動の状況や支援方法を知ることができます。
互いの情報を蓄積できるブロックチェーン技術によって強固なコミュニティ形成を目指し、森林問題について無関心な人や、何をしたらいいかわからないといった層をターゲットに思わず手に取りたくなるアート作品を制作します。
アートを入り口に個人レベルで森林問題に触れる機会を生み出すだけでなく、森林保全者に「支援してくれている人がいる」「見守っていてくれる人がいる」という意識をもたらし、モチベーションにつなげることもねらいの1つだそう。

「GOSHINBOKU」といったネーミングは、神社を取り巻くコミュニティに由来しています。
小さい頃から地元の神社へのお参りやお祭りに参加することが好きだったという相川さん。
神社を通じて人々がつながり、まちづくりや地方創生の拠点となっていた光景を目にした記憶から、本研究でもそのようなコミュニティ形成を実現したいと神社の象徴でもある“御神木”からタイトルをつけました。

多様な特性を持つNFT。
相川さんが所属する情報デザイン領域では、1つの課題に対してどの媒体で何をするのが有効かを常に考え制作するそう。
これまでの学びを活かし、森林問題に対しNFTのどの特性を主軸にアプローチするのがベストなのか、研究を重ね検討し実現を目指します。

相川さんは「今回の研究は大きな挑戦で、1人では実現できないと思う。賛同して支援してくれる人がいるから頑張れます」と意気込みを語ってくれました。
まだまだ未知数なNFT技術。秘められた可能性による新たな活用法の提示・森林問題への関心向上に向け、充実した研究となるようサポートしていきます!今後の研究活動にご期待ください!

※ご紹介している計画やタイトルは現段階のものであり、今後の進行上一部変更になる可能性があります。

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