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未来社会デザイン共創機構

【共創プロジェクト】「アートで照らす医療と介護の未来ワークショップ」 開催レポート【2024年4月20日・21日】

2024.06.27

2024年4月20日(土)から21日(日)の2日間、本学と琵琶湖大橋病院グループ(医療法人弘英会)による共創プロジェクトとして、
滋賀県大津市にて「アートで照らす医療と介護の未来ワークショップ」を開催しました。

このプロジェクトは、医療と介護に対する新しいアプローチを模索し、
医療・介護現場のイメージ改善と介護予防を目的としています。

大津市にある琵琶湖大橋病院グループの若手職員による組織課題解決チーム「未来エンジン工場」によって主導され、
本学と協力して立ち上げられました。

「琵琶湖大橋病院グループ×成安造形大学 共創プロジェクト」キービジュアル

プロジェクトの詳細は過去ブログをご覧ください。

 

ワークショップは4月20日(土)、21日(日)の2日間に渡って開催し、
琵琶湖大橋病院グループ「未来エンジン工場」から職員5名、
本学からはアートによる社会的処方や医療・現場に関心のある学生6名(留学生1名含む)、が参加しました。

1日目はガイダンスと自己紹介からスタート。
まずは学生と職員の関係を構築するため、アイスブレイクで緊張をほぐします。

その後、医療チームと介護チームに分かれ、琵琶湖大橋病院グループが管轄する各施設への見学に出かけました。

現場スタッフから、施設のサービスや制度、日々の仕事に関する解説を受けながら、
医療・介護現場の実態を学びます。

見学後は、未来エンジン工場の職員から自身の医療・介護職の体験談や、
医療包括ケアに関する考えなどをお話しいただきました。

次に、1日を通して医療・介護への理解を深めた学生の視点から、
医療・介護現場の魅力、課題、検討ポイントを付箋に書き出します。

現場見学で肌で感じた施設の雰囲気や利用者さんの様子、周辺の自然環境のことなど、
初めて訪れた学生ならではの新鮮な意見が次々と書き出されます。

スタッフとの対話や体験談で印象的だった医療・介護職のやりがいや喜びが
求職者に伝わっていない現状といった検討すべき課題も出てきました。

 

2日目は、解決策のアイデア出しに向けて、
「医療とアートの学校」代表の村岡ケンイチ氏による事例紹介からスタートしました。

村岡氏が代表を務める団体「医療とアートの学校」の活動や、
医療現場に似顔絵を用いた心の癒しをもたらすことを目指した似顔絵セラピーの活動についてお話しいただきました。

「医療とアートの学校」代表 村岡ケンイチ氏

医療空間のリデザインの事例、患者とのコミュニケーションの様子などの体験談を通じて、
医療現場におけるアートの可能性を語っていただきました。

(医療とアートの学校 WEBサイト|https://iryoart.com/

 

そして、アイデア出しに入る前に田口講師より前日の意見交換の分析結果を共有。

1日目の意見交換で浮き彫りになった課題やその要因の分析からチームごとに問いを設定し、
アイデアを書き出していきました。

【医療チームの問い】
・どうすれば病院は親しまれる身近な存在になれるか?
・どうすれば医療・介護職の魅力を他者に伝えられるか?

【介護チームの問い】
・どうすれば職員・利用者ともに楽しく過ごせるか?
・どうすれば多くの人に就職してもらえるか?

学生と琵琶湖大橋病院グループ職員が出し合った100近くのアイデアを元に、プロジェクト案を企画。
介護職員の経歴を楽しく学べる人生ゲーム、職員の1日を紹介するSNSコンテンツの提案や、
介護施設への宿泊体験など、医療・介護を身近に感じてもらえるアイデアを展開しました。

チームを入れ替えた意見交換などを経て、最後は、施設内で行うマルシェ、
利用者・職員・近隣住民が共同作業で作品を作るイベント、
医療現場で働く人の声を届けるラジオ番組の3つのプロジェクトを提案しました。

参加した学生からは、
「アートを学ぶ私たちが医療や介護の現場で力になれるのか?という疑問を抱きながら参加したが
いざ交流してみると思わぬ相乗効果が生まれることに驚いた。」
「介護業界の人手不足のことは漠然と認識していたが、自分には関係ないことだと思っていた。
慌ただしい現場の様子を目の当たりにして、初めて身近な問題として認識することができた。」

といった感想がありました。

琵琶湖大橋病院グループ職員からは、
地域や現場問題解決するためには、病院の職員だけでなく、
新鮮な視点を持った学生と共創することが重要だと感じた。」

といった感想をいただきました。

このワークショップは学生と医療・介護スタッフの相互理解を深めるだけでなく、
地域包括ケアシステムの普及啓発に向けた最初の試みです。

学生は医療と介護の現場の実情を理解し、新しい視点を得ることができました。
また、参加者全員が協働することで、創造的な解決策が生まれ、
地域の医療・介護に対する関心が高まったと言えます。

今回提案された3つのプロジェクトを基盤に、
今年度内の実現を目指して活動していく予定です。

どうぞご期待ください。

 

ワークショップ概要

日時 :2024年4月20日(土)~21日(日) 10:00~16:00
会場 :琵琶湖大橋病院グループ 緑の癒(滋賀県大津市緑町6-27)
参加者:琵琶湖大橋病院グループ「未来エンジン工場」若手職員 5名、成安造形大学の在学生 5名

<講師プロフィール>
・村岡ケンイチ(アーティスト)
似顔絵セラピー・医療とアートの学校代表。似顔絵国際大会(白黒部門) 5回優勝。全国の病院やクリニックで活動。
・柴崎寛子(デザイナー/成安造形大学非常勤講師)
社会にデザインで投資するをコンセプトにしたソーシャルデザインカンパニー 株式会社ONE GOOD DESIGN 代表取締役CEO。滋賀県湖南市地域おこし協力隊の元メンバー。
・田口真太郎(ワークショップ・ファシリテーター/成安造形大学 未来社会デザイン共創機構 講師)
滋賀県立大学大学院 環境科学研究科修了。近江八幡市地域おこし協力隊、まちづくり会社マネージャー等を経て、地域課題解決に従事。

■共催について
本プロジェクトは、琵琶湖大橋病院グループ(医療法人弘英会)と成安造形大学によって共催されます。両機関は、医療と介護のイメージ改善と介護予防に向けた新しいアプローチの探求という共通の目的に向けて、力を合わせています。

・琵琶湖大橋病院グループ(未来エンジン工場)   : https://boh.or.jp/wp/wp-content/uploads/2024/win2401.pdf
・成安造形大学(未来社会デザイン共創機構): https://www.seian.ac.jp/attached/mirai/

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