公開講座

〈連続講座「近江のかたちを明日につなぐ」〉近江~素材のかたち -近江和紙-

日程 2012年5月12日(土)  10:40~12:10
応募締切日 2012年4月28日(土)受付は終了しました

講座内容

近年、その肌合いの美しさや強靭さなどから、再び注目を集めている和紙。この講演では、和紙のなかでも「紙の王様」とも呼ばれる雁皮(がんぴ)紙を大津市内で漉いておられる成子哲郎氏をお迎えし、その魅力に迫ります。成子紙工房が生み出す雁皮紙の特徴やその伝統的な紙漉き工程、さらには雁皮紙の歴史から今後の可能性まで、現場からの生の声をお届けいたします。

講座概要

・講座名 〈連続講座「近江のかたちを明日につなぐ」〉近江~素材のかたち -近江和紙-
・開催日 2012年5月12日(土)  10:40~12:10
・場所 成安造形大学
・対象 中学生以上
・募集 150名
・応募締切日 2012年4月28日(土)必着 受付は終了しました
・講師 成子 哲郎 氏 [(有)成子紙工房代表取締役]
・対談 小嵜 善通 (本学教授・本研究所研究員)

講師プロフィール

成子 哲郎 氏 [(有)成子紙工房代表取締役]

1947年滋賀県生まれ。全国手すき和紙連合会会長。大津市桐生の郷で、地元の雁皮(がんぴ)を主原料とする「手すき和紙」を江戸時代後期から製造する成子紙工房の4代目。成子紙工房の和紙は滋賀県伝統的工芸品にも指定されている。

「近江学」は、近江固有の風土を改めて検証する学問です。芸術は個を深く掘り下げることで、人々の心を打つ普遍的な美や新しい価値観を生み出してきました。同様に、地域に固有の記憶が私たちの魂に共鳴し、未来に活かせる新しい価値観の発見につながる可能性もあります。

大量消費・大量廃棄型の暮らしをひたすら追い求めてきた20世紀後半の日本人は、一方で優れた素材や技術、豊かな暮らしの知恵や自然観を切り捨ててきました。物質的な豊かさを手に入れた私たちは、しかし気がついてみると、大地から、地域から切り離されて、命との有機的なつながりを失いつつあります。

この50年間に私たちが失ったものに思いをめぐらせ、掘り起こすことは、単に懐かしい昔に戻ることを意味しません。過去の記憶を手がかりに、ごくあたり前のものの内にひそむ美しさ、かけがえのなさ、本来の豊かさを、未来に向けて再生することだからです。そしてこのことこそ、地域学としての近江学がめざすものです。文化とは人の営み、すなわち「暮らしのかたち」のことです。

今回の公開講座は、地域の素材と向き合いながら、それぞれの活動や表現を通して独自の「かたちと技」を求め続ける5人の方々による講演と対談です。地域の風土がつくり出した、そこにしかないモノと心の統合された豊かな文化を、未来に向けていかに再生するか。ポスト3.11を生きる私たちの、新たな生き方につながる手がかりが見つかるに違いありません。

成安造形大学附属近江学研究所


受付は終了しました
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