公開講座

〈連続講座「近江のかたちを明日につなぐ」〉近江~魂のかたち -木地師の里のものづくり-

日程 2012年9月15日(土)  10:40~12:10
応募締切日 2012年8月31日(金)受付は終了しました
記号 【 オ】

講座内容

木の盆や椀をロクロなどで作る人は「木地師」とよばれます。滋賀県、東近江市の永源寺の奥、君ケ畑は、日本の木地師の発祥地として知られています。平安時代、第55代文徳天皇の第1皇子である惟喬(これたか)親皇は、皇位継承に敗れ都を逃れてこの地に隠れ、ロクロの業を土地の人々に伝授されました。その後、この地から多くの木地師が日本全国に散らばっていったといわれています。そうした伝統の地で、途絶えた木地師の仕事をただ一人、独学で続けておられる小椋昭二氏に、ものづくりの魅力と地域の伝統を語っていただきます。

講座概要

・講座名 〈連続講座「近江のかたちを明日につなぐ」〉近江~魂のかたち -木地師の里のものづくり-
・講座記号 【 オ】
・開催日 2012年9月15日(土)  10:40~12:10
・受講料 500円(当日受付にて徴収いたします) ※本学学部生および研究生は受講料無料
・場所 成安造形大学
・対象 中学生以上
・募集 150名
・応募締切日 2012年8月31日(金)必着 受付は終了しました
・講師 小椋 昭二 氏 (木地師)
・対談 辻 喜代治 (本学教授・本研究所研究員)

講師プロフィール

小椋 昭二 氏 (木地師)

1951年滋賀県東近江市君ケ畑町生まれ。70年高校卒業後、家業の製材所へ、父兄の元で働く。94年木工ろくろの工房開設のための準備に入る。95年ろくろ工房君杢を開き、修業を始める。

〈連続講座「近江のかたちを明日につなぐ」〉
「近江学」は、近江固有の風土を改めて検証する学問です。芸術は個を深く掘り下げることで、人々の心を打つ普遍的な美や新しい価値観を生み出してきました。同様に、地域に固有の記憶が私たちの魂に共鳴し、未来に活かせる新しい価値観の発見につながる可能性もあります。

大量消費・大量廃棄型の暮らしをひたすら追い求めてきた20世紀後半の日本人は、一方で優れた素材や技術、豊かな暮らしの知恵や自然観を切り捨ててきました。物質的な豊かさを手に入れた私たちは、しかし気がついてみると、大地から、地域から切り離されて、命との有機的なつながりを失いつつあります。

この50年間に私たちが失ったものに思いをめぐらせ、掘り起こすことは、単に懐かしい昔に戻ることを意味しません。過去の記憶を手がかりに、ごくあたり前のものの内にひそむ美しさ、かけがえのなさ、本来の豊かさを、未来に向けて再生することだからです。そしてこのことこそ、地域学としての近江学がめざすものです。文化とは人の営み、すなわち「暮らしのかたち」のことです。

今回の公開講座は、地域の素材と向き合いながら、それぞれの活動や表現を通して独自の「かたちと技」を求め続ける5人の方々による講演と対談です。地域の風土がつくり出した、そこにしかないモノと心の統合された豊かな文化を、未来に向けていかに再生するか。ポスト3.11を生きる私たちの、新たな生き方につながる手がかりが見つかるに違いありません。

成安造形大学附属近江学研究所


受付は終了しました
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