【SEIANドリームプロジェクト】1/7(火)〜13(月) 㔟簱 澪那「ちりめんゆるゝ展」を開催中!
未来社会デザイン共創機構では、学生支援制度として「SEIANドリームプロジェクト(学生特別研究助成金)」を実施しています。
(令和6年度SEIANドリームプロジェクトの採択結果はこちら)
今回は、今年度の採択テーマから「丹後ちりめんの可能性の追求」の活動をご紹介します。
「丹後ちりめんの可能性の追求」について
美術領域日本画コース3年生 㔟簱 澪那さんによる作品制作型の研究活動です。
京都府丹後地方の特産物である絹織物「丹後ちりめん」の新たな可能性を追求するため、
日本画材として応用する方法を研究し、作品を制作しています。
丹後で生まれ育った㔟簱さんは、大学進学を機に地元を離れた際に、
改めて丹後で受け継がれている文化や技術の魅力を実感し、特に丹後ちりめんに強く惹かれたそう。
リサーチを進める中で、主な商品である和服の需要低下や作り手不足という課題に直面していること、
そして生産者が活用の幅を広げる機能性を持った生地の開発に尽力していることを知りました。
同時期に丹後の風景を描いた作品を発表し、鑑賞者が丹後に興味を持ってくれたことをきっかけに、
自身の作品を通して丹後の魅力を発信したいと思うようになりました。
そこで、日本画材としての新たな丹後ちりめんの魅力を引き出し、
丹後ちりめんのニーズ発掘の一助となることを目指して、研究活動を始めました。
これまでの研究活動
今回、㔟簱さんは丹後ちりめんを日本画の支持体として応用することを目指し、
パネル張りの実験をはじめ、絵具を置いたときに生じる縮みや滲みの検証などを何度も重ねました。
あわせて、丹後の歴史資料館やちりめん加工場などの見学に出向き、
ちりめんが作られる工程や歴史を学ぶとともに、
地元企業が取り組まれているちりめんを使った新たな商品開発についてもお話を伺ったそうです。
「ちりめんゆるゝ展」
1/7(火)〜13(月)の期間、本学スパイラルギャラリー1-2階にて
研究を経て制作された作品を展示する「ちりめんゆるゝ展」を開催しています。
展示作品はなんと17点!すべて丹後ちりめんを支持体にして描かれています。
さらに、すべて丹後の風景や丹後にゆかりのあるものをモチーフに描かれています。
丹後ちりめん独自の風合いや質感を活かすため、
下地や絵具をできるだけ薄く仕上げることを意識して制作されたそうです。
実際に間近で作品を見てみると、ちりめん特有のシボと呼ばれる凸凹や、
やわらかそうな滑らかな質感を感じられます。
会場の出入り口から差し込む光に照らされるとまた違った表情に見える面白さもあります。
支持体のもととなる丹後ちりめんの反物も展示されており、肌触りも体感していただけます。
ぜひ実物をご覧ください。
今後の活動
展示作品を見て「絵具の滲みや質感の活かし方など、まだまだ研究中」と話す㔟簱さん。
今後は2階で展示している作品のようにパネルに張らず布のまま描き、
魅力のひとつであるしなやかさを際立たせる方法を研究したいと意気込んでいました。
本作品展は、1/19(日)〜30(木)の期間、
京都府与謝郡にある生涯学習センター知遊館のエントランスでも開催されます。
大学と地元のそれぞれで作品を展示し、鑑賞者からの感想を集め、
更なる研究の発展へ活かします。
ぜひ足をお運びください。
㔟簱 澪那「ちりめんゆるゝ展」
大学にて開催
会期|2025年1月7日(火)〜1月13日(月)
会場|成安造形大学 キャンパスが美術館 スパイラルギャラリー(〒520-0248 滋賀県大津市仰木の里東4-3-1)
丹後にて開催
会期|2025年1月19日(日)〜1月30日(木) ※月曜休館、時間は知遊館の開館時間に準じます。
会場|生涯学習センター知遊館エントランス(〒 629-2262京都府与謝郡与謝野町字岩滝2271番地)
主催:美術領域日本画コース3年生 㔟簱 澪那
協力:成安造形大学 未来社会デザイン共創機構、髙田 学(本学美術領域准教授)
助成:成安造形大学 未来社会デザイン共創機構「SEIANドリームプロジェクト」